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音声を期待した方は、裏切ってすいません。ここは何のページかとというと、選手の人となりを紹介しようというコンセプトのもとに、おしゃべりしてもらった内容を掲載しています。下の方が古い記事です。



Vol.4
試合後や練習後になかなか開放されない1年生に、1年生もあと2週間というところでやっと話を聞きました。広瀬健太選手と熊谷宜之選手です。

広瀬「出身は島根県。小中高とも島県です。県立高校で県内では強い方でした。バスケを始めたきっかけは、近所の兄ちゃんがバスケしてたから。あと、身長が高かったんで、それを生かせるっていうか、身長高かったらバスケっていう先入観みたいなのがありました」
−−もとレスリングやってたって?
広瀬「3歳のときから、中学校の3年生まで。バスケは小4から。親父がレスリングやってて、母親はバレー。妹がバレーやってます」
−−熊谷くんは、出身は横浜で、高校が育英。お父さんは以前ミニバスの指導者やってて、4人兄弟の3番目、お兄ちゃん二人は中央大学ね
熊谷「そうです。みんなバスケやってる。一番上がやっちゃったから、みんなやることになった」
−−青学に入ったきっかけは
広瀬「きっかけは、まぁ、話があったからすかね」
−−よそからも声かかってたんだよね
広瀬「まぁ、少しだけ」
−−高校時代、光ってたんだ?
広瀬「そんなことないすよ。全然そんなことないす」
熊谷「いや、光ってたよ、頭」
広瀬「ぼうずだから・・・、って、違うだろ。中学校んときは、光ってたね。ジャージ真っ黒で、五厘でしたから」
−−育英高校は名門だよね
熊谷「まあ一応全国レベルです」
広瀬「育英高校は俺らが1年のとき、強かったってイメージがあります。いま日体大の大西さんとか、すごかった。1回練習試合したことあるんです、こいつ覚えてないらしいんですけど。俺が1年の時に行ってやらしてもらったんですけど、もう、すごかったです、あの人は」
熊谷「俺にやられたんだろ」
広瀬「いや、お前にはやられてない」

−−大学入って、初めはきつかった?
広瀬「初めはきつかったすね。高校んときは平日の練習1時間だったし。内容も、今は人数少ないからまわってくるのが早くてきついし」
熊谷「1時間?」
広瀬「コート半分で1時間、それで40人」
−−待ってる時間の方が長いね
広瀬「そうすね。冬はすぐ寒くなる」
−−今は休んでる暇ないもんね
広瀬「そうす。しかも休んでたら、休むなーって言われるし。高校んときは先輩後輩もない感じで、俺キャプテンやってたんですけど、後輩に健太って言われてた。青学は先輩後輩が厳しい方だと思いますよ。でも、一生に一度はそういうのあってもいいかな。最初は、敬語を使い慣れてないんでちょっと大変でしたけど」
−−敬語くらい使えるようになっといて損はないよ。社会人になったらもっと厳しいよ
広瀬「そうですね」
−−1年生だから、卒業後どうするとか、まだ考えてないよね
広瀬「全然考えてないすね。でもまぁ、プロリーグもできたし」
熊谷「俺はNBAかな」
広瀬「はぁ? ああ、言ってたもんな、お前ちっちゃい頃からな」
熊谷「そうそう」
広瀬「ほんとは、田臥じゃなくて、俺だって思ってたんだよな」
熊谷「そうそうそう」
−−テレビとかでバスケ見る?
熊谷「あんま見ないですね。やる専門」
広瀬「実家にいる時は見てました。今は一人暮らしでBSが映らないから。見たいんですけど。小学校の時とかジョーダンに憧れてましたから」
熊谷「見たら眠くなんねんけど」
広瀬「ちょっと分かる、それ。お前、韓国でも寝てたし」
熊谷「あー、寝とったな」
−−韓国で見に行ったんだ?
広瀬「プロリーグを見に行きました。日本より全然盛んです。観客も結構入ってましたし、上手かったすよ。応援もヒートした感じで」

−−韓国はどうだった? 練習きつかった?
広瀬「きつくないです、全然。長いだけです」
熊谷「眠いです」
広瀬「1日3回練習あって」
熊谷「寝る時間ないもんな」
広瀬「朝終わって、寝て、ねむたいまま、また練習みたいな」
熊谷「暇さえあれば寝てたよな」
広瀬「テレビとか見ても分かんないすから」
−−面白くなかった?
広瀬「面白かったですよ。選手と結構仲良くなりましたし。練習は・・・何言ってるか分かんないすから」
熊谷「サッカーが面白くなかった」
−−サッカー?
広瀬「練習でサッカーやったんすよ」
熊谷「俺らゲストじゃないすか。遊びでサッカーやったんすよ。遊びなんだから、普通楽しませてくれるじゃないですか、どんどん攻めていいよ、みたいな。広瀬と岡田さんは同じチームで俺だけ一人逆がわだったんです。岡田さんたちはどんどん攻めていいよって感じだったんですけど、俺は、ディフェンスしとけ、みたいな。マジつまんない」
広瀬「結局、負けた理由がお前のせいだもんな。なんで動かないんだー、みたいな感じで」
熊谷「ディフェンスやれって言われてて、そんなんおもろないわーって1回攻めたんすよ。そしたらいきなり呼ばれて、『ディフェンスディフェンス、お前はディフェンスやー』って」
−−韓国の印象は?
広瀬「寒かったす」
熊谷「辛かった」
広瀬「初日はびっくりしたよな。初日はやばかった。バイキングみたいな感じで料理をとるんですけど、おなかへってたんでいっぱいとったら、全部辛くて。おかずが辛いんでスープでも飲んでさまそうかなと思うんですけど、そのスープも辛い」
熊谷「口の中がどんどん辛くなる」
広瀬「とにかく寒かったすね。寒かったんで、体が動かなかった。手首とか膝とかかちんかちんになっちゃって。シュート打つのもぎこちなかったし。アップも軽いアップだし、日本より5度くらい低い。バスケしてても暖かくなんない。あとは、岡田さんと行けて楽しかったです」
−−岡田くんてどんな人?
熊谷「面白い人」
広瀬「からかいがいがあるね」
−−え?
広瀬「岡田さんがいたんで安心していられました」
熊谷「岡田さんがいたから楽しめましたね。準備よかったし、あの人。ビタミン剤とか持って来てましたよ」
広瀬「栄養悪かったら困るからって」
−−韓国をなんだと思ってるんだ、彼は
広瀬「将来スターになるような選手と仲良くなれたんで、楽しかったす」
−−言葉通じた?
広瀬「英語す。文法的なことは向こうが分からなくて、I have beenとか言うと、はぁ?ってなるんで、アイぃ、ミィ?みたいな感じで」
熊谷「俺はゼスチャーで生きてました」
広瀬「ゼスチャーと日本語だったもんな」
熊谷「なんやねん、とか言ってました。どうせ、向こう分からないし」
広瀬「選手は、俺らよりも年上の人はいい人ばっかでした。1年生は生意気でした。なぁ。下手なくせに生意気だからむかついたよな。上級生は上手いんすよね。イ・クワンジェとかデスル、ヤン、チャンスー、ペクチュイ、カンファン、チョイボンゲ、キムデジュン・・・」
−−・・・おい
広瀬「あと、チェ・ジウとかな。リ・コーランとか、あと、、、あと、カトチャン」
熊谷「カトチャンいたの?」
広瀬「おぅ」
熊谷「志村けんは?」
広瀬「志村けんはいなかった。高木ぶーがいた。高木ぶーと雷様がいた。・・・って、路線ずれてるし」
−−ちゃんとバスケやってきたの? 勉強になったの?
広瀬「やってきたやってきた。勉強になりましたよ。シュートフォーム直された。韓国はカルチャーショックがありました」
熊谷「カルチャーショック?」
広瀬「文化の違い。コートは土足でした」
熊谷「でも土足で歩いたら岡田さん怒るんすよ」
広瀬「お前は日本の魂を忘れたのかって、岡田さんがわけの分かんないこと言い出して」
熊谷「で、自分が踏んだときは」
広瀬「今のは仕方ないって」
−−ははは。言いそう
広瀬「そんなんばっかすよ、あの人。で、俺らがそれつっこむと『お前らなめてんの?』。まぁ、ちょっとはなめてたかもしんないけど。岡田さんは高校んときスーパースターすからね。でも、吉本さんによく『お前本当に全日本ジュニア?』とか言われてますけどね」
−−だーかーら、どういう練習だったの?
広瀬「サッカーしました」
−−それは聞いたってば。分かった、覚えてないんでしょ
広瀬「覚えてますよ。シュートはずしても怒られないけど、ディフェンスさぼってたら怒られます。あと、シュート練習が多かったす」
熊谷「基本的に楽だよな。なんであいつらあんなに強いんか分からん」
広瀬「ほんとやなぁ」
−−何がうまいの?
広瀬「シュートと判断力と。スピードも違いましたね。みんな判断がいい。パスの判断じゃなくて、自分がどこに行けばいいかという判断、バランスを考えて。1年生はそれが全然できてなかったです。全部自分で行っちゃったり」
−−楽っていうのは、あんまり走らないってこと?
熊谷「走んないす」
広瀬「スクリーンの練習した。あと、何やったっけ。速攻の練習。ひとつひとつの練習が短いんですよ。あと、わけわかんない掛け声とかありました」
熊谷「再現してみる?」
広瀬「カムサハムニダ」
−−違うだろ
熊谷「それを考えとったんか」

広瀬「俺ってつっこみかなぁ」
熊谷「そっちの話? そうなんちゃう」
広瀬「先輩にもつっこむしな。2年生は制覇しました。3年生はまだきびしいな。これから、どうかまっていってあげるか。あ、2年生で一人だけ制覇してない人がいた。甲斐さん。分かんないんだ、あの人。からみづらいんで」
−−面白そうだから先輩たちをどう思ってるか聞いてみようか
熊谷「尊敬してますよ」
広瀬「嘘つけ」
−−伸くんはどんなキャプテンだった?
熊谷「なんも言わないすからね、あの人」
広瀬「からみ無かったもんな。俺はけっこうよくしてもらいましたけど」
熊谷「試合に一緒に出た時は、優しかった。ボールまわしてくれて、試合慣れしろみたいな感じで」
−−彼、怒らないよね
広瀬「シュート外したら、シュート外しすぎって言われました」
熊谷「それ普通やん」
広瀬「いや、ちょっと怒った感じで」
−−じゃ、大屋新キャプテンは?
広瀬「怖いときもありますね」
熊谷「ちゃんとしてますからね、あの人。ちゃんとしたことができんかったら、怖い」
広瀬「大屋さんと、ポジションが近いんで、側にそういう人がいると手本になって分かりやすいです」
−−託矢くんは
熊谷「あの人はプレイの時だけじゃないすか、怖いのは。あの人は優しい」
−−コートの上では怖い?
広瀬「怖いすね」
熊谷「練習中も怖いす」
広瀬「怖いな、あの人。でも普段はいい人。バッシュとかもらいました。なんか、想像してたのと違いました。見た目とギャップがあるというか。託矢さんは、見てて勉強になりますね。あと、梶さんはやっぱ上手いす。いろんなとこで上手い。スクリーンの使い方とか一番上手いですし」
熊谷「騙し方とか」
広瀬「ほんと、騙すのうまいよな、あの人。先輩は、明るい人が多いすから」
−−そぉ?
広瀬「そうっすよ。2年生が多い。岡田さんとか、あと、、、岡田さんとかな」
熊谷「そうそう」
−−岡田くんて、そんなに面白いの?
熊谷「面白いすよ」
広瀬「面白いす。岡田さんはちょっと、韓国行って見方が変わりましたね。ってことがインターネットに載って、それを見た岡田さんに、また俺らが怒られると」
熊谷「一言で言ったら、自分に自信を持ってるね、あの人は」
広瀬「一緒だよ、お前と」


−−1年間で記憶に残ってる試合ってある?
広瀬「春は、日大に勝った試合が印象的でしたね。あとは、1部に復帰したとき。途中で、来年も2部かなって思ったんですけど、先輩がやってくれたんで、嬉しかった」
−−熊谷くんは?
熊谷「んー」
−−怪我しちゃってあんまり出てないもんね。イランに行ったのは?
熊谷「あー、あれは面白かったですね。得点王になれたし。海外に試合しに行ったのは初めてで、待遇がよかったっていうか。選手たちがVIP扱いだったんで、それが面白かったのかも」
広瀬「いいよね。残された竹松と俺が大変な思いしてる時に」
熊谷「ボディーガードつきましたよ」
広瀬「イランだもんね」
熊谷「チームはみんな仲良くて、楽しかったす。試合出れたし」

広瀬「今年は優勝を狙えると思うんで、足をひっぱらないように」
−−優勝って、単なる口癖じゃなくて、ちゃんと実感して言ってる?
広瀬「まぁ、まだ始まってないんで。でも、東海はきついと思う。日体大も強いと思うし。あそこ3年生主体だっただろ。でも、1部でやれるのは結構嬉しいです」
−−代々木でやれるし
広瀬「そうですね。代々木はやりやすいです。あの体育館跳べるんす」
−−床が違うんだね
熊谷「バネ入ってんです」
−−・・・(ボケはいいってば)
広瀬「三冠はやっぱかなりつらいと思うんすけど、どれか1つは。それと、全部ベスト4には入っておきたい」
熊谷「そしたらオールジャパン出ないとあかんやん」
広瀬「オールジャパン出ると多分成人式出れないから、オールジャパンに出とく。今年はオールジャパン結構うざかったです。日にちが悪いですよ。正月一人で淋しく過ごさなきゃならなくて」
−−地方の子はつらいよね
広瀬「オールジャパン終わったらすぐ帰りましたけど。あー、もう、面白いことが頭に浮かばなくなってきた」
−−面白いことしゃべれって、言ってないっ
広瀬「じゃあ、今年のキャプテンの話しよう。今年のキャプテン誰になりそう? 俺は大屋さんだと思う」
−−それは、もういいから。じゃ来年は? 今の2年生
広瀬「多分、岡田さんだと思います」
熊谷「正直、登さんという目もあると思うよ」
広瀬「多分、岡田さんがキャプテンで、正中さんが副キャプテンで、登さんが副キャプテンかも」
熊谷「裏キャプ? 登さん裏キャプ? 俺、正直登さんでもええと思うけどなキャプテン」
広瀬「面倒見がいいのは登さん。あとは梶さんとか宮さんとか。宮さんが一番いいかな」
熊谷「キャプテン兼主務?」
広瀬「キャプテン兼監督 藤真、みたいな」
−−バスケの話しようね
広瀬「1回優勝したいすね。全国大会優勝したことないんで。小学校から一回も」
−−一回も? 新人戦優勝したのは、入る前か
広瀬「今年、新人戦けっこういけそうだと思うんですけどね。大きいし。問題はディフェンスか。速攻が出ないとかそういうのはないと思うんで。あとは、体力」
−−今年の目標は
熊谷「NBA」
広瀬「お前がNBAとか言うからメジャーリーグ行きたくなってきた」
−−NBAに行って何するの?
熊谷「バスケです」
−−そうじゃなくて、役割的に。自分の得意なプレイは?
熊谷「一対一」
−−一対一っても、いろいろあるじゃん
熊谷「相手を翻弄するのが面白い。相手に、ヤラレタっていう敗北感をどうやって与えてやろうっていう駆け引きが一番すき」
広瀬「得意なプレイは・・・パスミスっ。自信を持って言えるものはないすね」
−−じゃ、好きなプレイ
広瀬「好きなプレイはぁ・・・」
熊谷「得意なプレイあるやん」
広瀬「何?」
熊谷「ターンからのシュート。ターンからのシュート得意やろ」
広瀬「好きなプレイは、きれいなパスが通った時」
−−パスするの好き?
広瀬「シュートもパスも、どっちも好きです」
熊谷「ぞうさんときりんさんと、どっち好き?」
広瀬「ぞうさんが好きです。でも、かばさんのほうが・・・」
−−凸(^-^メ)
広瀬「パスがうまく通って、パスした人がきれいなノーマークになったら、気持ちいいです。知恵の輪がはずれたぁ、みたいな。苦手なプレイは、ディフェンス」
熊谷「ディフェンス好きっすよ。ディフェンスも同じっすよね、一対一と」
−−そうだよね
熊谷「どうやってだしぬいてやろうかって」
−−タイマンはるのが好きなんだ
熊谷「そうかもしれないすね。5対5だったら、誰が勝ちとか負けとか分からないじゃないすか。チームだから。個人で勝ってやろう、みたいな」
広瀬「バスケじゃねーじゃん」
熊谷「違う違う、バスケで。一対一でオフェンスでもディフェンスでも勝つ」
−−明らかに俺が勝ったって思えるのが好きなのね。広瀬くんは違うみたい
広瀬「違いますね。チームで勝った方が俺は好きですね、たとえ自分が負けても。自分が勝っても、チームが負けると気分よくないです。かといって、自分も負けてチームも負けるともっと胸くそ悪いすけどね。試合って、チームが勝った方が個人でも勝ちで、負けたら、個人でいくら点とってても、負けなんじゃないすかね」
−−レスリングって、完全に一対一でしょ。
広瀬「そうですね」
−−その時は完全に気持ちが切り替わってるの?
広瀬「うーん。もうずっとやってないから」
−−2つの面を別のスポーツに出してるから、そう思うのかなと思ったんだけど
広瀬「ああ、ちょうど正反対ですからね。考えたことないですけど。団体競技の方が好きです」
−−チームプレイを優先するから、あんまりガツガツしない感じなのかな
広瀬「自分的には、もう少しガツガツやった方がいいとは思ってますけど」
−−1年生だからというのもあったよね
広瀬「それもありますね。遠慮しちゃいますよね。打ててもパスしちゃう。でも、今年はもうちっと深く考えずに、リラックスしてやろうと思ってます。肩の力抜いて」
−−熊谷くんは、わりと自分で行っちゃう方だよね
熊谷「そうすか? それが悪いとこなんですよね」
広瀬「岡田さんに似てんじゃない? 似てると思うよ、岡田さんに」
−−どういうところが?
広瀬「自信過剰というか。やれると思ったらやっちゃう」
−−岡田くんはこれまでそれを求められてきたんじゃないかな
広瀬「熊もそうっすよ」
−−そうなんだろうね
広瀬「岡田さんと似てて嬉しい?」
熊谷「悲しい。越えてやる」
−−岡田くんより背高いわけだし、余裕で越えられるでしょ
熊谷「越えます」
広瀬「言ったねぇ。スリーポイントだね」
熊谷「そこやね。シュートで越えるのが一番分かりやすい」
広瀬「じゃ、俺は正中さんを」
−−何で越えるの?
広瀬「見習います」

広瀬「今年もチャンスだと思うんですけど、俺らが4年生になった時はそこそこのチームになると思うんで、そっちに期待しとってください。下級生にいいのが入ったらそこそこのチームになるし、入んなくても強くなるんで。正直、2006年は多分厳しい。東海が強いから。でも、俺らの代は大学で活躍してる奴はいない」
熊谷「スターがいないな」
−−なるほど、だから、自分たちが4年になった時はチャンスだと思ってるわけね
広瀬「そうです」
熊谷「俺らがスターだな」

熊谷くんは見るからに明るいのである程度予想通りだったが、寡黙なスポーツマンだと思っていた広瀬くんが、実はめちゃめちゃ剽軽だった。この、漫才コンビっ!(2005.02.26)



Vol.3
3回目は2年生の岡田優介選手(岡田)と正中岳城選手(正中)に聞きました。

正中「子どもの時はいろんなスポーツやってました。ソフトボールと陸上と水泳と、小5くらいからミニバスやってました」
岡田「小学校の時ははミニバスはなくて遊びで、でも仲間内でけっこう本格的にやってて、中学校に行ったらバスケ部入るって決めてた。サッカーもやってて試合も出てたけど、そこそこって感じで、中心選手にはなれなかった。身長高かったからバスケはわりと点がとれたので、バスケの方が楽しかった。小学校卒業する頃には172cmくらいで、中学校に入ったら期待のセンター。高校を土浦日大にしたのは、上のレベルでやりたかった。都内で強いところに行っても、東京は学校数もいっぱいあるし全国大会に行っても勝ち残れないと思った。土浦日大が、当時、関東では一番強かったんで。親に反対されてたんで、あまり遠くの学校には行けなくて、全国大会で上に行ける学校で、関東の学校ってことで土浦日大」
正中「明石は学区内の県立だけど、兄貴が2年のときに、国体チームの監督が指導に来てくれた。それで、高校でがんばろうって」
−−で、全国大会には行けたわけね
岡田「インターハイは、3回行った」
正中「インターハイは行ってない。3年のときウインターカップに出たけど。大学ではやらないつもりでいたんです。でも、国体出たりウインターカップの予選で優勝したりしたんで、どこいくんやっていう感じで、まわりがいろいろ動いてくれた。同じ兵庫県の育英の監督とかが動いてくれました。それで、青山どーやっていう感じで」
岡田「ほっとけなかったんだね。一人で70何点取ったってやつね。72だっけ」
−−72? 高校生の試合ってそんななの?
岡田「それは異例っすよ。70はないです」
−−岡田くんは初めから大学でやる気だった?
岡田「高校2年くらいで、大学でやるかやらないか迷った。中途半端にやるなら勉強して普通の大学に行った方がいいと思ったし、高校で結果を残せたら大学でもやろうと思って。3年でウインターカップでベスト4まで入って、全日本ジュニアにも呼んでもらえたんで、じゃあ大学でやろうと。家が早稲田なんで、初め、早稲田大学に行こうと思ってたんすよ。もともと、勉強ができてバスケも強いとこって決めてたんで、体育系の学校は除外。残ったのは早稲田か青学かってなって、勉強するなら早稲田かなぁと。でもバスケは青学の方がいいって聞いたんで。高校のトレーナーに、トレーニングもしっかりやるし、環境もいいぞって言われた。その当時、青学は1部で早稲田は2部だったし。ここ、重要です。だから、青学行ってバスケやろうって。英語の勉強したかったんで、丁度いい学部だったし。そしたら、俺らが決定してから、あれよあれよと・・・」
正中「僕はもう、青山に入れてよかったなという感じですけど。でも、優介はけっこうふてくされてた?」
岡田「まぁ、下から上がるのもいいですよ」
−−入ってみたら2部だったってのは、けっこう複雑?
正中「俺らはそうですね。いっこ下の子らは、そういうことはないけど」
−−新人戦は・・・
岡田「わ、やな話題もってきたな」
正中「俺ら、新人戦出た記憶がないです」
−−了解(^-^;)。4年生が、部の雰囲気がすごくいいって強調するんだけど
正中「今年は、絶対いいですよ。4年生がよくしてくれてる」
−−4年生は2年がいいって言ってるよ
正中「やっぱり、一番上級生が盛り上げようとしてくれてる」
岡田「やりやすいよな」
正中「やりやすい。2年は人数が多い分、練習中も目立つように動いていかなあかんな。と、僕は思いますけど、岡田くんはどう思うか分かりません」
岡田「僕も一緒でいいです」

−−お互いをどう思ってる?
正中「優介は、1年の時は上級生に気を使っちゃって、あんまり打てなかった。今年はリバウンドも大屋さんや託矢さんがばんばんとって、打ちやすいようにしてくれる。で、高確率で決めてる。優介うまくなったしな」
岡田「うまくなったっていえるのかなぁ。練習してますよ、左レイアップ。長谷川さんに何回言われたか。まぁ、最近、あんまり言われなくなったか」
正中「シュートがあんだけええから、全てを求められてまうんや」
岡田「いや、シュートしかないから、他もやれって言われる。最近、中学生だったのが高校生くらいになったといわれた。十分な褒め言葉ととっときます」
−−岡田くんは正中くんをどう思ってる?
岡田「まかせっきりですよ。信頼できますね、彼は。なんでもできて上手いし。これはほんとの話。なんでもできる。何やらせても安心して見てられる。うらやましいかぎりですけどね。自分にはないものをいっぱいもってる。例えば、テク。レイアップに行く時の抜き方もそうだし。だから、タケを見て研究してます。タケ専用のノートとか作って」
正中「優介専用ノートつくってるよ。地元に帰ったら、岡田にパス出してるって自慢してる。俺らの代では、野球で松坂世代って言うみたいに岡田世代なんです」
岡田「ふぅん」
正中「ちなみに、高校時代、土浦日大と試合したことあるんすけど、あんま相手にしてくれんかった」
岡田「うそ。なんだっけ」
正中「一瞬出てきて、あの得意の4点プレイして、すぐひっこんだ」
岡田「あんま覚えてないなー」
正中「僕は覚えてますけど」
岡田「マッチアップしなかったから。でも、うちの高校の先生は、タケのこと、うちにああいうレイアップできる奴いないって言ってたよ。浮かせてポン、て入れる奴」

−−二人とも練習マニアだって?
正中「嫌いじゃないすね。チーム練習やっても、その後で自分でやらないと落ち着かない。しないと、帰る時が気持ち悪い」
−−岡田くんが練習するのは負けず嫌いだから?
岡田「なぜ、そういう第三者情報から。まず聞きましょうよ」
正中「優介は、自分の相手に決められると、打ちたそうにするな」
−−やられたらやり返す?
岡田「そうなのかな。そういうつもりはないんだけどなー。チーム練習後、シューティングするんですけど、打たなきゃ入んないからなんです。けっこう打ち込まないと入らない。梶さんは、打たなくても入るらしいっすよ。うらやましいなと思ってるんすけど。自分はだめ。打たないと調子が上がってこない。だから打つ。それが習慣になってる。シュートしかないのに、シュート入んなかったら終わりじゃないですか。そこで迷惑かけたくないから」
−−何本くらい打つの?
岡田「今はそんなに打ってないす。100本inくらいでやってる。200本とか、多い時は300本くらい頼みますけど、リバウンドやってる奴に悪いじゃないすか。だからまあ、多くて200ぐらいにしてる。あとは個人的にちょこちょこ打つくらい。レイアップとか」
正中「100本ぐらいが丁度いいな」

−−2年になって何か変わった?
正中「自分的には、スムーズになった。それが、逆に一生懸命やってないように見えるらしいけど。余裕をもって考えてやってると、動きがなくて一生懸命やってないように見えるらしいです」
岡田「俺は、シュートがうまくなった? というよりレイアップか。ダンクは、できなくなりましたって感じすね。今なんか全然跳べないす。全盛期の半分くらいすよ。・・・てのは、嘘だと思うんすけど、まぁ、当時を知る人はね。1年目はずっと膝が痛くて、全然跳べなくなりました。今はだいぶよくなってきて、動きやすいです。手術も考えたけど、吉本さんにバスケできなくなる可能性があるって言われてやめた。去年は痛くて痛くて、授業中もアイシング。授業中でも何してても痛いんです。電車乗ってても痛いし。歩くのもつらくて、階段は絶対のぼりたくない。絶対エスカレーター。今でも、それが習慣になっちゃって」
正中「で、ついたあだ名が省エネ」
岡田「ほんとにそんだけ痛かったんすよ。よくなったのは、今年、トーナメントに入ってくらいすかね。吉本さんにリハビリメニュー作ってもらっていろいろやったんで、きいたんじゃないですか。完治したわけじゃないですけど」
正中「跳べとったときは、ダンクをガンガン」
岡田「もう、全然余裕っすよ。高校1、2年生のときとかガンガンやってた」
−−高校でがんばりすぎて膝こわしたの?
岡田「あ、それにしといてください」
正中「跳びすぎなんだよ」
岡田「いつも跳んでたんで、それかな。ダンクも、できた頃は面白がってやってたんで。今はリバウンドがんばってる」
正中「俺は、あんま攻めんと、優介にパスまわして決めてもらう感じで」
岡田「気持ちには応えるよ。がんばってがんばって回ってくるパスって、気持ちが入ってるじゃないすか。そういうのは決めたいすね」
正中「気持ちなんて、そんなん言うタイプやったっけ?」

−−岡田くん、遠征に行く時の新幹線で勉強してたって?
岡田「あー、そんなことありましたね。でも、いつもそんなんじゃないすよ。別にお堅いわけじゃないです。この間はジャンプ読んでたら、長谷川さんに社会人になってからスーツでマンガを読まないでくれよって言われた。ムダが嫌いなんすよ。だらだらしてる30分とかがいや。30分あれば何かできますからね」
−−お風呂にぼーっと入ってるのとか、もったいない?
岡田「風呂は好きっす。俺、風呂はめっちゃ長風呂」
正中「そこは体のために」
岡田「温泉とか大好きだし。熱いお湯と冷たい水に交互に入る。交替浴っていうんですけど、疲れが早くとれる。高校ん時は寮だったんで、浴槽が2つあって、お湯と水入れて。家では、熱いお湯はって、冷たいシャワー浴びて」
正中「寮では、風呂が唯一の楽しみやってんな。いかに気持ちよくお風呂に入るか」
岡田「高校時代は徹底的にやられるんで。大学みたいな甘っちょろいもんじゃないすよ。気持ちでも体力的にも」
−−普通の県立高校は?
正中「普通に。でも、やっぱりそこそこきつかったすよ。大学は、ノーマークは必ず決めなあかんとか、そういうプレッシャーはあるけど。高校の時は先生と生徒やけど、大学は監督と選手なんで、求められることが違う。プロっぽいっていうか」

−−岡田くんは勉強もできるんだよね。学年で5番だっけ?
岡田「よく知ってますね。国際政経で経済の方をやってる。経営とかマネージメント系も興味あるし、計算するのも好きだし。マクロ経済とかミクロ経済とか、考え方はためになりますよ。自分に合ってるなと思う。経済の考え方って、経済だけだけにあてはまるんじゃない。例えば、外国人犯罪が起きるのはなぜかみたいなのを経済学で証明するとか。リスクとリターンを考えて、外国人は日本だと罰則規定が軽いから、リスクは小さい。けどリターンは多いから・・・みたいに、ちょっと経済チックに考える。そういうのが面白い。今自分のやってることも、リスクとリターンで考えたら、どうなのかなみたいな。バスケやってることはリスク。リスクはいっぱいある。バスケはお金にならないとか、JBLまで行けるか分からない、中途半端な位置にいるし・・・」
正中「行ってもらわな。俺が自慢できな、あかんねん」
岡田「自分が行けるよ」
正中「いや、俺は4年で燃え尽きたい」
−−燃え尽きちゃうの?
正中「えーと、燃え尽きるほど一生懸命やりたい、がんばりたいってことで。あとは、優介にがんばってもらって、俺は自慢したい」
岡田「大学の成績次第だな。4年間でどれだけ活躍できるか。今年と来年だな。今年1部に上がれなかったら・・・」
正中「やばいよな」
岡田「今年上がれなかったら、終わるな。ま、今年は行けるでしょ。今年、接戦に強くないですか? せって勝ちますよね」
正中「そやなー」
岡田「俺いつも思うもん。今年はせってせって、負けない。去年は結構せって負けた。大東にも負けたし、東海にも負けたし」
−−1部に上がるためには?
岡田「自分の仕事やるしかない。3Pもそうだけど、ただ入れるだけじゃなくて、チームの流れに沿って決められるかどうか。確率だけじゃなくて。同じ確率、同じ5/10でも、コンスタントに2本1本2本1本決めるより、最初は落としても最後に5連ちゃんで入れた方が、ひっくり返せるし相手にダメージを与えられる。そういう、場面を考えて打てたらいいなって」
−−拓大との2試合目みたいに?(4Q最後に延長を決める3Pと、延長戦での3連続3P)
岡田「あの試合なんて、前半、全然やってないじゃないですか。でもインパクトだけで、相手はやられたと思うわけで、そういうの結構大事でしょ。シュートしかないんで、シュートの効率考えてます。あとはみんなの足をひっぱらない程度に他もがんばる」
−−あれは気持ちよかった?
岡田「いいですね。でも、けっこう考えてやってんすよ。マッチアップしてた伊藤拓郎さんとは結構対戦してるから、あの人がバテると分かる。最後の方までもたないんです。1戦目もそうだったし、2戦目も絶対そうなると思ってたんで。2試合目の時、『今日、前半はムダに動きまくって拓郎さん疲れさせるんで、後半、空く時あるから見ててください』って伸さんに言っといたんすよ。まぁ、結局4Q最後までやれなかったんですけど。でもまぁ、その通りでした。延長は拓郎さん疲れちゃってて、ちょっとした隙があったんで、伸さんがそれをよく見ててくれて」
−−計画どおり?
岡田「一応。まぁ、あのまま4Q終わってたら、計画も何もなかったけど。半分くらい、計画どおり」
正中「あん時は、味方でよかったと思った」
−−ほんとだよね。敵だったら、すごいイヤだよね
正中「イヤですよねー。あそこで1点負けでフリースローで、優介の目がすごいギラついてたのが印象に残ってる」
岡田「やる気だったもん」
−−正中くんのお仕事は?
正中「スタートの5人の負担をなるべく少なくする。安心して休ませてあげられるように。あとは、チームの流れが悪い時にやれるように、ベンチでも流れを考えておく。後から出ていくんで、ベンチでしっかり見極めておかないと。特にガードなんで、決めてくるだけじゃないし、パスまわすだけでは意味がないんで。伸さんの負担を減らすように。あとは、代わりに出るだけじゃなくて、この場面は正中でみたいに任されるようになりたい」
岡田「うまくまとめました」

いつも「シュートだけ」といじめていたので、ちょっとすねている岡田くんと、「一番才能あるよー」とほめているにもかかわらず、のんびりやさんの正中くんでした。(2004.9.18)



Vol.2
2回目は、リーグ戦初戦を終えた佐藤託矢選手(託矢)と大屋秀作選手(大屋)のお二人です。

−−まず、出身地とバスケを始めた時期を聞こうかな
託矢「生まれたのは大阪の堺で、バスケは中学から」
−−あ、ミニバスとかやってないんだ
託矢「ミニバスなかったんすよ。で、中学校のときは、顧問の先生はラグビーが専門で、バスケよく分かんなかった。身長は中学に入った時が171cmで卒業するときは190cm。ポジションは、ばりばりセンターでした」
−−大屋くんも中学からだよね
大屋「出身は長野で、バスケ始めたのは中学から。中1は178cmで、中3は189cm」
−−大屋くんも3年の時、インターハイに行ったよね。その時お互いに会った?
託矢「会ってない。全然知らない。今も知らないけど」
大屋「こいつ、いつもひどいことばっか言うんです」
−−(^-^;)すごく仲良しだよね。青学に進学したのは、長谷川さんが誘いに来た?
託矢「俺のとこには来てない。でも、先輩の金子さんが行ってたんで2年の時から青学って決めてた。理由は、トレーニングがしっかりしてるから。もうちょっと上の先輩の築山さん(2002年卒、現OSG)も行ってて、いいって言ってたから」
大屋「僕も2年の時に決めました。2年の冬に長谷川さん来てくれて。実は、そこまで青学がバスケ強いって知らなくて、でも青学は偏差値が高いから。バスケが強いからじゃなくて、卒業したあと、学歴的にいいかなって」
−−そんな理由?(^-^;) 入ってどうだった?
大屋「よかったす」
託矢「よかった」
−−託矢くんは、輝かしい経歴で入って来たんだよね
託矢「でも、入った当初はついて行けなかった。練習きつかったし、みんな上手かったし。自分、走られへんかったし。太ってたし」
大屋「てか、体重の質の違いってのが分かるよな」
託矢「そん時106kgぐらいあって。今103なんですけど、それはいいんです。けど、脂肪の106だったらすごいことなる。そういうのはトレーニングの成果」

−−二人ともジョーンズカップの代表選手に選ばれたよね。代表に選ばれた気持ちって?
託矢「1、2年の時も声かけられてたんですけど、辞退してたんす。でも去年初めて学生選抜の関東選抜チームに選ばれて、選抜チームの面白さに目覚めた。それで今回はやってみようって。高校んときからの知り合いはいっぱいいたんですけど、でも一緒にプレイする面白さを知ったというか」
−−大屋くんは、ナショナルチームに選ばれる選手になるつもりで大学に来たわけじゃないんだね
大屋「いやもう、そんなの思ってないです。ただ、名前をもっと広めたいというか、有名になりたいという気持ちはあった。ジョーンズカップの選考の時、24人来るはずが、いろんな都合で12人しか集まらなくて、そのメンバーがそのまま代表みたいな。もっといたら、俺、だめだったかも。そう考えると、拾いものかなって」
−−拾いものってことはないでしょう。託矢くんはもともと上手いからそれに磨きをかけるって感じなんだけど、大屋くんの伸び率っていったらすごいよね
託矢「一緒にやってても、変わりましたもん」
−−ナショナルチームと大学で、役割は違う?
託矢「俺は同じ。5番」
大屋「あんまり変わらない」
−−戻ってきてすんなり入れた?
託矢「別に違和感はなかった」
−−大学に戻ってきて楽しい?
託矢「そうすね」
大屋「でも、ギャップにちょっと苦しんだっていうか(^-^;)。ナショナルチームは、スタートの選手でも、フルに出ることってあんまりないんですよ。大学は、2試合フルフル出るのは当たり前みたいな。でも、そこも青学はいいなって思う点です。僕の場合ですけどね。青学に入ろうって決めた理由のひとつです。1年生でも試合出れるとか、全員ユニフォームもらえるとか。1年から試合出れるのはちょっとすごいかなって。だから青学行こうって」

−−台湾どうだった?
大屋「台湾、いい国ですよ。バスケに熱い。バスケは盛んみたいで、台湾のチームがやるときはもちろん台湾びいきなんですけど、例えば日本とフィリピンがやった時とか、ちゃんと観戦に来てくれて、がんばったらがんばった分だけ認めてくれる」
託矢「こいつ、ちやほやされてんの」
大屋「ふふん」
−−そうなの? もてたの?
託矢「もてた。空港まで来たよな」
−−えー。若い女の子が?
託矢「当然」
−−大屋くん、雰囲気かわったなとは思ってたの。最近、なんか自信に満ちてる
大屋「変わりますよ、やっぱり。今年春から、変わりましたね。スプリングキャンプに最後まで残ってやったら、さすがに」
−−自信になった?
大屋「なりますね。A代表の監督(ジェリコ・パブリセビッチ監督)にいろいろ言われて。ちゃんと見てるんすよ、あの人。4回キャンプがあるうちの、2回めで半分になるって聞いてたんで、俺、はなから諦めてたんすよ。でも、やってくうちに楽しくなってきて、残りたいって思うようになってきた。二次キャンプで、監督に名前を覚えられたんです。40人いる中からですよ。これはいいかもって。二次キャンプの最終日に、一人一人面接みたいのがあって、最後に俺と石崎(東海大2年)だけが残ったんです。みんな呼ばれたら帰っていくんですけど、二人でシューティングしてて。その時の面接でいろいろ、こういうプレーヤーだって言われて、それがすごく当たってて。
今はちょっと焦ってますけどね。そろそろ自分のバスケみたいなの確立していかないと。自分はけっこう、何にでも変われるんで。こうしろって監督に言われたらできるし、別の監督に別のこと言われたら、それに対応しちゃう。でも、そうやってると、自分のプレイってものがないじゃないですか。そろそろ、結果出したいなぁって欲が出てきてる」

−−託矢くんは、自分のスタイルがあるよね
託矢「これ以上うえにに行くんなら、このままじゃダメすよね。やりたいことはありますけど。でも、チーム状況としては下のポジションにいとかんと。みんな上に出てってしまったら噛み合わんなるし」
−−賢いよねぇ、託矢くんは
託矢「だめです。すぐ熱くなるんで」
大屋「試合中、両極端なんですよ、俺と託矢。俺はあんま熱くならない」
−−チームの中での役割はどう思ってる?
託矢「基本はリバウンド。俺が外からシュートを打てば打てるけど、それは岡田とかもいるし、打つのはいくらでもいるんで。自分は他の人にできないことをやらないと。でも、動きが悪くなると、外から打っちゃうんですけど。外から打ちたいって気持ちもあるし」
−−みんな困ると託矢くんにまわす
託矢「俺も要求してるんですけどね」
−−頼りになる
託矢「俺、体が結構がっちりしてるやん、体格ってか骨格が。だから、あんま当たり負けしない。だから必然的に5番。その方がみんな安心すると思うし。5番におった方がいいのかなって」
−−自分のやりたいことっていうよりは、チームが勝つためにって考えてる
託矢「とりあえず、今、2部なんで」

−−来年て、誰がキャプテンだろう
託矢「大屋。俺の性格ではむり」
−−3年生は個性的な子ばっかだもんね。性格の問題で、最後に残るのは、大屋くん?
託矢「消去法で」
大屋「それが一番ひどいよな」
託矢「俺はあかんし、じゃ、お前かぁ、みたいな。まぁ、周りみんなで盛り上げれば」
大屋「みんな結構まじめだしね」
託矢「自分に負けるけどな」
大屋「いや、俺も」
託矢「あかんけど、負けてまうねんなー」
大屋「分かってんだけど」
託矢「負けるなぁ」
大屋「それくらい極限なんですよ。正中とか伸さんに言わせれば、この状況はまだまだなんでしょうけど、俺に言わせれば、やめたいとか休みたいとか思っちゃう」
−−正中くんもがんばる子なんだ
大屋「あいつ変わったなーと思いますよ。あいつイチオシっすよ、ほんとに。もともと上手かったんすけど、変わりましたよ、雰囲気がまた。もともとセンスの塊だったんですよ、あいつ。それが、自分の持ってるセンスを使いこなせるようになった」
−−もっとプレイングタイムあげて欲しいよね
託矢「そうっす」
大屋「ああいうつやつこそ、スプリングキャンプとかに放り込んだら、ほんと上手くなると思う」
託矢「俺の代わりでもいいから、出してやって。俺が水飲む間だけでもいいから」
大屋「お前、ほんと今日つらそうだったもんな」
託矢「一瞬ぐーっと飲んでふぁーで、それだけでいいんすよ」
−−休みたいのね。大屋くんが出れなくて、広瀬くんは今日アピールするチャンスだったよね
大屋「広瀬は4番で使うのはもったいない。するどいし、けっこうシュートも上手いし。4番5番は身体勝負。面取りからはじまって、身体の使い方が重要」
託矢「4番て、けっこう難しくて、5番もある程度できなあかんし3番の動きもできなあかんし。けっこう大変。俺みたいな自己ちゅーな奴がおって、その要求にも応えなあかんし、上の3人の要求、ここに動けー、動いてほしい、そういうのにも応えなあかん。リバウンドもとらなあかんし。相手のインサイドも止めなあかんし」
−−一昨年も、田ケ谷くんがリーグに出れない時に大屋くんがぐんと伸びたんだよね
大屋「考えてみたら一緒なんですよ。俺が代わりに出てる時に、田ケ谷さんに言われた言葉と、広瀬が出てて俺が言ってること」
−−何を言われたの?
大屋「落ち着けよとか、もっと普通にやっていいからって田ケ谷さんに言われて。俺も同じこと言ってるんす。もっと楽に、って。あ、一緒だとか思って。ポジションとられるというより、もっとがんばって欲しいとか、上手くなってほしいとか、思いますね」
−−ポジションとられる心配なんてないでしょ
大屋「2年の終わりに長谷川さんに、来年いい選手が来るから、お前は今年結果出さないとポジションとられるぞって言われたんすよ」
−−それは大屋くんを奮起させようと思ってわざと言ってんだよ
大屋「ぜんぜん、奮起しなかったけど。でも最近は長谷川さんが変わって。1、2年のときはあまりにもがーっと言われてて、やりにくくてしょうがなかった」
−−鉄は熱いうちに打てって感じで
大屋「今年になって、あまり言われなくなって、その分、回りも見れるっていうか。ゲームもそうだけど、選手ひとりひとりが見えてきた。余裕が出てきましたね」
−−それは、大屋くんが上手くなったんでしょ
大屋「分からなくなるときありますけどね。ヨンセーとやってるときとか、全然わからなくなった」
託矢「ほんま、そうやったな。何したらいいか分からんかった。あんだけディフェンスがいいとな。もういいわーって感じ。やめとくわ、今日はーみたいな」
大屋「感覚的には、離されてる感覚ないよな。でも気付いたら20点とか離されてて。何が違うんだろうな。感覚では、とんとんなんですよ」
託矢「攻撃回数がそんな多くないからやろ。確実にやられとる」
−−そういうのがぱっと判断できちゃうんだから、バスケやってる時はすごく頭いいよねー
託矢「他はバカみたいじゃないですか。」
−−いや、他は知らないから(^-^;)
託矢「そりゃ、勉強はできませんけど」
大屋「僕もできませんけど」
−−ヨンセーとやって勉強になった?
託矢「なったよな」
大屋「なりました。間違いなく、日本の学生とはレベルが違う」

リーグ初戦は、高温多湿のコートコンディションにぐったりしていましたが、とりあえず勝ってよかったよね。
見た目はやんちゃで天才肌の託矢くんは、実は素直で向上心の旺盛な真摯な選手、見るからに真面目で礼儀正しい大屋くんは、地道に努力して今まさに開花するところという感じです。(2004.09.04)



Vol.1
登場するのは、鈴木伸之選手(ノブ)と伊藤明彦選手(明彦)のお二人です。

ノブ「今年ヤバイよね。ちょーいい雰囲気だよね」
明彦「去年も同じようなメンバーだったすけど、全然違いますね、今年は」
ノブ「2年生とか、すごい盛り上げてくれるから」
明彦「一般生の子がすごくがんばってくれてる。俺たちが何も言わなくても、1年生にもちゃんと言ってくれる。ちゃんと役割とか分担されてる」
ノブ「まあ、まだダメだけどね。部室きたねーんだもん。あと、マネージャーもいいね」
−−トーナメントでけっこういい成績だったじゃない。あれで良くなった? それともその前から?
明彦「いや、あの前から良かった」
ノブ「前のがよかった(笑)。それはないけど。あの前からですね。だからおのずと、大会もよかったし。それで、まぁまぁの結果だったし」

−−リーグ戦は?
ノブ「リーグはね」
明彦「16試合」
ノブ「えー、そんなすんの? うそー。しんどいなー」
明彦「2部だもんねー、俺らね」
ノブ「リーグ戦て、トーナメントの面白さと違うじゃないすか。トーナメントなら、力を試すとかそういうんじゃなくて、勝たなきゃいけないというのがあるし」
明彦「そうだね。リーグ戦は勝って当然だしね」
ノブ「ま、相手チームによっては楽しめますけどね」
明彦「それはそうだね」
ノブ「拓殖とは、ほんと面白い。あんだけせってせって、最終的に勝てるから面白い。今年も多分、ぜったい拓殖強いからな。力的には一番強いから、拓殖が」
明彦「東海も」
ノブ「東海は下級生中心だから」

−−練習きつい?
ノブ「ふざけてるね。でも、吉本さんのトレーニングメニューは、好きというか、納得できる」
明彦「トレーニングは成果が数字で見えるし。でも、バスケは上手くなってるかどうかよく分からない」
ノブ「やっぱ、練習いやかも、おれ。。。でもチーム練習すぐ入るって言ってた。もう日にちないから」
明彦「まぁ、ヨンセーとやるまではね」
ノブ「そうか、ヨンセーとやるんだ。なんでヨンセーとやるんだ? 実業団とでも勝てないのに」
−−楽しみというより、やだなって感じ?
ノブ「まぁ、どのくらい自信喪失させられるか楽しみすね。どんだけ自信喪失するかなー」
明彦「ヨンセーと3試合やって、ほんでまた実業団とだろ。リーグ戦前にちょっと弱いチームとやって勝って、雰囲気盛り上げないと」
ノブ「リーグん時には試合恐怖症になってるかもな」
明彦「韓国人は当たりとか、強いよな」
ノブ「当たりは別に怖くねーよ」
明彦「ガードが180とかだったらどうする?」
ノブ「ちっちゃいって言ってたよ。ちっちゃくて速くてシュートが上手いって(^ー^)。ヨンセーかぁ。どうしようかな。どういうプレイをしようかな。相手にとって不足なし。そうでもないか。そんな余裕ないか」
明彦「ないと思う」
ノブ「俺はあると思うよ」
明彦「アリウープとかしたら?」
ノブ「そしたら、俺も一緒に喜ぶわ。トーナメントん時も専修の選手に言ってたしね。すごいなーとかって。あれはすごいわなー」
明彦「あれされたら、もうどうしようもないな」
ノブ「いや別にどうしようもなくはない」
明彦「どうしょもない」
ノブ「どうしょもなくない」

−−伸くんが怪我で試合に出れなかったというのは、記憶にないんだけど。
ノブ「怪我したことないす。怪我して吉本さんのお世話になったことは、一度もない」
−−どうして怪我しないんだろう。
明彦「筋骨隆々」
ノブ「筋骨隆々ってほど太くもないよ。怪我してる期間がもったいない。怪我したくないとも思ってないすけど、怪我しないように体が動くっていうか。
捻挫するのって、我慢してふんばるからなるわけで、その場で倒れちゃえば足に負担かからないじゃないですか。倒れないようにふんばるから捻挫する。だからレイアップの時いつも倒れてるんすよ。ヘンなふうに着地して捻挫したらやだから。で、あれでカウントもらえたらラッキーだし。ま、もらえたことはないですけど。ああやって転がってるかぎりは怪我しないですから」

ノブ「俺、就職活動で自分のセールスポイント聞かれて、別に負けず嫌いじゃないのに、負けず嫌いなとこですとか言って」

明彦「負けず嫌いっていいことなのか?」
−−負けず嫌いじゃないの? 自分では負けず嫌いじゃないと思ってるの?
明彦「いや、負けず嫌い」
ノブ「俺、自分では負けず嫌いと思ってないんだけど」
明彦「俺が10Kgでウエイトやってたら、こいつも10Kgでやる。できないのに」
ノブ「えー、それ負けず嫌いじゃないよ。対抗意識」
−−じゃあ、どういうのが負けず嫌い?
ノブ「うーん、岡田みたいなやつ。何ごとにも負けたくないからがんばっちゃう。俺、あそこまでいってないよな」
明彦「いや、お前も同じ」
ノブ「いってる? まじかよ。自分では分かんないもんだな。俺が負けず嫌いなんて、意外」
明彦「サインもらわない時点で負けず嫌い」
ノブ「そうか。今、納得いった」

実は、明彦くんはバスケットボール選手のサインをいっぱい持っている。それを伸くんが、「お前にはプライドとかないわけ?」と茶化したのである。
とめどなく奔放に話が噴出する伸くんと、話の流れを崩さずに質問に忠実に回答しようとする明彦くんという好対称な二人でした。(2004.8.1)

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